飼い犬にヴィーガン食(植物由来)の食事を与えるのは健康に良い?悪い?科学が証明していること

2024年7月22日

柴犬

犬にヴィーガン食(植物由来)の食事を与えることを検討する理由はたくさんあります。あなたがヴィーガンなら、愛犬に他の動物を与えることに倫理的な葛藤を感じるかもしれないです。

気候危機(環境問題)を心配しているなら、愛犬の食事にヴィーガン食(植物由来)のものを取り入れることは、個人の排出量を削減する一つの方法であることは間違いないです。

犬に植物ベースの食事を与えるのは健康に良い?悪い?

科学雑誌の「PLOS ONE」の一部を引用。

Domestic dogs can maintain health on complete and well-balanced canine plant-based nutrition (K9PBN). Novel insight on health outcomes in dogs consuming K9PBN is of relevance to veterinary professionals and consumers given a growing interest in non-traditional dog foods with perceived health benefits, while considering potential safety concerns.

飼い犬は、完全でバランスのとれた植物由来の犬用栄養(K9PBN)で健康を維持できます。潜在的な安全上の懸念を考慮しながら、健康上の利点があると考えられている非伝統的なドッグフードへの関心が高まっていることを考えると、K9PBNを摂取した犬の健康状態に関する新たな知見は、獣医の専門家や消費者にとって重要です。

PLOS ONEの参考論文

海外の情報によると、ヴィーガン食(植物由来)を与えられた犬が従来のペットフードと同等、またはそれ以上の健康状態にあることを示す研究が10件以上はあるようです。

ヴィーガンが植物由来の食事をペット(動物)に与える理由

理由の1つは、ペットフードの原材料(肉)が家畜動物だからです。従来のドッグフードの原料のほとんどが、屠殺場の廃棄物や非常に不健康な家畜の副産物から作られているということ、さらにこれらの施設ではさまざまな汚染リスクや病気が蔓延しているということです。

世界で動物性食品の消費量は、人間が約91%・犬猫が約9%です。1年間に屠殺される陸生動物は約700~800憶以上。犬猫による動物性の消費量が約9%なので、約70億以上の家畜動物が犬猫のペットフードに使われているということです。

また、気候危機(環境問題)を意識し、個人の排出量を削減する一つの方法として、愛犬の食事に植物由来のものを多めに取り入れる人もいます。研究によると、世界の全ての犬がヴィーガン犬になれば、削減される排出量は英国で削減される排出量と同等になるそうです。

犬に植物由来の食事を与え続けるのは現実的ではない

まず、ヴィーガンドッグフードは値段が高すぎるのが欠点です。Benevo社の製品ですと2kgで5000円以上はします。高価なので続けるのは難しいでしょう。

まとめ

多くの論文を見ると少なくとも「犬」に関して言えば、ヴィーガン食(植物由来)の食事を与えることで健康を害することはなく、むしろ従来のドッグフードに比べて健康の犬が多いようです。ヴィーガン食(植物由来)を従来のドッグフードと同じくらい美味しいと感じていることもわかっているようです(論文:犬の嗜好行動

ただし、「手作りの植物由来の食事」だと栄養素が足りなくなる可能性があるので、必ず良質なメーカーの商品を買わなければならないです。いきなり植物ベースに切り替えると体調を崩す恐れがあるので、最初は植物ベース7割~9割・動物性1割~3割の餌を混ぜたのを与えて、体調が悪化しないか様子を見るといいでしょう。

ちなみにこれは持論ですが、ヴィーガンで犬に動物性由来の食事を与えることに倫理的な葛藤を感じているなら、無理して犬を終生保護する必要はないかと思います。ヴィーガンドッグフードは高いので、経済的に余裕がなければ続けるのが困難だからです。

別にヴィーガンが犬を死ぬまで保護しなければならないという決まりはないです。殺処分されそうな犬を保護した場合は、手間はかかりますが大事に育ててくれる犬の里親を募集する選択肢もあります。

参考文献(論文)

ビーガン食またはベジタリアン食のドッグフードを支持する海外の研究論文が複数あるので、いくつか載せておきます。

  1. ビーガン食が犬と猫の健康指標に与える影響
  2. 15匹の犬を対象とした前向き臨床研究
  3. グエルフ大学における61匹の犬の研究
  4. 北米の犬の飼い主1,189人を対象とした調査
  5. 英国の犬の飼い主100人への調査
  6. 2,536人の主にヨーロッパ人の犬の飼い主を対象とした調査
  7. セントキッツ島のロス大学獣医学部で行われた38匹の犬を対象とした臨床研究で
  8. 獣医学修士論文
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Posted by 管理人