鶏を屠殺せずに終生飼養している養鶏場
鶏を屠殺せずに終生飼養している養鶏場
今回はあまり知られていない、鶏を屠殺せずに終生飼養している養鶏場を紹介します。
鶏を屠殺せずに終生飼養している養鶏場
一般的な養鶏場の場合、オスの場合はひよこの時点で粉砕機に流されて処分され、メスの鶏は1~2年で卵が産めなくなったら「廃鶏」として屠殺されます。
平飼いや放牧でも鶏は屠殺される
平飼いは鶏が屠殺されていないと思っている人は非常に多いですが、平飼いとは、良心をとがめず製品を購入させるための格好のマーケティング戦略です。平飼いでも鶏は屠殺されてますので誤解しないようにしましょう。
鶏が屠殺されてないと思って「平飼いの卵」を買ったのに、最終的に殺されては本末転倒ですよね。
結局卵を買うこと自体が鶏の屠殺に加担するということになります。これを防ぐには卵を買わない、またはオスとメスを屠殺していない終生飼養の農場を選ぶ必要があります。
日本での終生飼養の養鶏場はわずか1つ。その名はサテライツ株式会社です。
サテライツ株式会社
サテライツ株式会社は、鹿児島県曽於市に住所を構える養鶏場です。日本ではほとんど存在しない終生飼養の養鶏場です。サテライツ株式会社の特徴を簡単に紹介。
終生飼養
採卵用の鶏は1~2年で「廃鶏」として屠殺されますが、サテライツの鶏は終生飼養です。
また、メスだけではなくオスの鶏も終生飼養。
デビーク(クチバシの切断)
一般的な養鶏場ではデビークが行われていますが、サテライツで産まれた鶏たちはデビーク(クチバシの切断)もされていません。
病気や怪我でも処分しない
一般的な養鶏場では、鶏が病気や怪我になれば処分されますが、サテライツでは病気の鶏は隔離され看護されます。「どうすれば鶏を長生きさせられるのか」というマニュアルがない中、手探りでこれに取り組んでいるようです。
生産効率を追い求めていった結果、私たちは知らず知らずのうちに命あるものへの配慮を忘れてしまったのかもしれません。育ての親鶏の後を雛がついて歩く様子、親鶏が雛を注意深く見守っている様子、そういった光景は、現代社会の中で私たちが鶏から何を奪ってしまったのか、鶏と人との関係はどうあるべきなのか、私たちに問いかけてくれます。
アニマルライツセンター(鶏への礼節を忘れない。鹿児島県の放牧養鶏場「サテライツ」)より
まとめ
サテライツはメディアで取り上げられることもほとんどないので、はじめて知った人は多いかと思われます。
肉や乳製品と同様、卵もいちばんよいのは食べないことです。しかし、現実問題としてヴィーガンや厳格ベジタリアンでない限り、卵もダメとなると料理の幅が狭くなり、とくに子供が多い家庭では卵を完全に絶つのはなかなか難しいでしょう。
卵を買うことに罪悪感を感じている人は、サテライツで幸せに生きているニワトリの産んだ卵を時々食べて、最終的に卵とお別れするといいでしょう。終生飼養が増えれば工場畜産の縮小にもなり、犠牲になる鶏の数も大幅に減らせます。
なお、アニマルライツセンターの記事は2017年7月になっているので、今も終生飼養かどうかは不明です。購入する場合は今も終生飼養かどうか確認しておきましょう。